生活相談員になると、利用者や家族のほか、他業種のスタッフや他機関の職員と交流する機会が多く、コミュニケーション能力を育むことができます。多彩な人脈を築けるので、転職や起業の際にも役立つでしょう。公的機関と交渉して利用者に有利な条件を引き出す能力も培われます。また、介護現場で実務経験を積むことにより、介護報酬の基準や請求方法のほか、介護サービスの申請方法などについても学ぶことができ、ケアマネジャーなど上級資格の学習にも効果があります。ケアマネジャーが作成するケアプランの作成にも関われるため、介護計画を立案するスキルも身につけられるでしょう。ケアプランでは、入浴や食事といった介助だけでなく、機能回復訓練や看護ケアについても綿密な計画を立てなければなりません。
このように、他業種と連携しながら様々な業務に関われるので、生活相談員は視野の広い介護サービスのスキルを習得できるのです。事業所によっては、公的機関の査察といった実地指導に対応する機会もあり、提出書類の作成や行政機関との折衝などを経験することも可能です。生活相談員は、社会福祉士や精神保健福祉士のほか、社会福祉主事任用資格などの有資格者であることが多く、介護施設の中で管理職として位置付けられることが少なくありません。そこで、管理職として全体を統括する責務も負うことになり、事業所経営の視点から職務を捉えられるようになります。さらに、管理職である生活相談員は、一般の介護職員より少なくとも2万円程度給料が高めに設定されるというメリットもあります。